射手座のおはなし

昔、森の小屋にひとりの狩人が住んでいました。
狩人は弓の腕前は素晴らしかったけれど暴れ者で、街に出る度に人に迷惑をかけていました。
ある時彼の横暴が行き過ぎて、村人たちは一斉に石を投げつけました。
多くの石が狩人を打ちましたが、彼は死にませんでした。
ひとりの街の少年が、倒れた彼の前に覆い被さっていたのです。
「あなたの行いに救われた者です」と言い残して少年は息を引き取りました。

少年は色白の外見から街で迫害されていましたが、狩人は強さにしか興味がないので迫害には加担していませんでした。
それどころか、たまたま機嫌が悪い時に、少年に暴力を振るう者たちにばったりでくわして叩きのめしたことがあったのです。
狩人は少年の死を深く嘆き、旅に出ました。

多くの神殿を巡礼し「自分の命を差し出してもいい、少年を蘇生してほしい」と願いました。
しかし願いは叶わず、狩人はくたびれ果てて自分の森に帰ってきました。

小屋の前には、一頭の銀色の狼が待っていました
精霊の慈悲で少年は狼に生まれ変わっていたのです。
「あなたのお供をさせてください」と狼は願いました。

その後、狩人と狼は、命尽きるまで共に歩んだといいます。
彼らの旅路は天の河の長さにも及び、多くの土地に足跡を残しました。
その姿は夜空に今も星座として焼き付いています。