竜骨座のおはなし
星の海を旅する竜がいました。
竜は時折お気に入りの小さな星で羽根を休めます。
降り立つ度に、星の景色は変わっています。
竜の旅は遠く長く、同じ場所を通りかかっても100年や200年は経っていることがほとんどです。
ある時星に降り立つと、一匹のうさぎが暮らしていました。
「ようこそお客人」と竜をもてなします。
竜とうさぎはお茶をして、語らい、一緒に休みます。
しばらく仲良く暮らしていましたが、竜はまた旅立たなくてはなりません。
次訪れる時には、うさぎはもういないことでしょう。
残念な気持ちを抱えて竜はうさぎにおやすみのあいさつをしました。
翌朝、小さな星は穴だらけになっていました。
「これはなんだい?」
「重たい土をどけて、星を船にしたんだ。」
うさぎは胸を張ります。
軽い星は、母星を離れて星の海を漂いだしました。ゆっくり漂う星に、竜は寄り添います。
「オールも作ったよ」
うさぎは巨大な骨で作った櫂を見せました。
「それでどこに行くんだい?」
「君のいるところさ」
竜は笑って、星の船の骨組みに手をかけました。「ボクが曳いたほうが早いね」
竜が曳く船から、掘り出した土がどんどんこぼれていきます。
星の砂をまきながら、船は空の彼方に消えていきました。
骨組みだけになった船は、星座になって今も夜空を旅しています。